睡眠の時の寝姿勢は人それぞれ違いますが一般的に
- うつ伏せ
- 横向き寝
- 仰向け
の3パターンにわかれます。
でもこの中で一番いい寝方はどれなのか、イマイチわからないですよね。
私は割と横向きで寝ていることが多いのですが、これは果たして良い寝姿勢なのでしょうか?
そこで今回は、睡眠の時はうつ伏せ、横向き寝、仰向けのどれが眠りによって一番いい寝方なのかをご紹介します。
睡眠の時のうつ伏せについて

よくうつ伏せで寝ていると「良くないよ」などと指摘を受けることがあります。
しかし、世間には「うつ伏せ健康法」なるものがまかり通っているのも事実です。睡眠の時にうつ伏せになって寝るのは、本当に良い寝姿勢と言えるのでしょうか。
では睡眠時のうつ伏せについて、メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
うつ伏せ寝によって得られるメリット
うつ伏せで一番楽だと感じられるのは、背中ではないでしょうか。
仰向けや横向き寝と違って背中が解放されるこの寝姿勢は、背中の血流を良くして睡眠の質を向上させます。
骨盤の歪みなどが気になる人もうつ伏せの状態で寝るのがオススメなので、体の力が完全に抜けたような状態でうつ伏せ寝をしてみてください。
うつ伏せ寝によるデメリット
うつ伏せのデメリットといえば、やはり一番に考えられるのは首のひねりによる疲れですよね。
うつ伏せで顔も下を向いてしまうと、穴が空いていない枕でない限り窒息してしまいます。
またうつぶせ寝の場合は寝具が顔に当たってしまうので、女性は特にシーツの跡が気になったり、寝具が清潔でないと肌荒れを起こすこともあります。
うつ伏せで背中が解放されるのは良いのですが、今度は心臓を圧迫してしまうことがあるので息苦しさを覚えることもあります。
また首の骨から腰まで、ねじれている状態で寝るので腰痛持ちの人にはあまり向かない寝姿勢だと言えるでしょう。
私は結構個人的にうつ伏せで寝るのは嫌いではないのですが、実際に熟睡できているのかというと…ちょっと疑問は残ります。
首を捻ることでできるシワも気になる年頃ですしね、うつ伏せはちょっと休む時に取り入れるくらいにしておきたいところです。
睡眠の時の横向き寝について

おそらく一番この寝姿勢で寝ている人が多いであろう、横向き寝についてはどうなのでしょうか。
私自身も毎朝目覚める時には横向き寝なので、一番いい寝方だと思っているのですが真相はいかに!
それでは横向き寝についてメリットとデメリットを順番に見ていきましょう。
横向き寝によって得られるメリット
なんと横向き寝は、東洋医学でも中医学でも推奨されている健康的な寝姿勢なのです。
特に足を軽く曲げて体をS字にして寝る「シムスの姿勢」は、体に負担がかかりにくいと言われています。
では横向き寝といっても左右どちらを向いて寝ればいいのか、迷ってしまいますよね。
基本的には臓器の中でも特に重たい肝臓がある右側を下にして寝るとより負担がかかりにくくなります。
また胃から腸に食べ物が運ばれていく出口も右側にあるので、消化を助けるという意味合いでも右を下にして寝るのが一番いい寝方となります。
横向き寝は気道も確保しやすいので、睡眠時無呼吸症候群でいびきがある場合には横向き寝が推奨されています。
ちなみに吐き気があって嘔吐の心配がある場合は、吐いたものを喉に詰まらせにくいということで横向きで寝るのが良いでしょう。
横向き寝によるデメリット
横向き寝で挙げられるデメリットというと、骨盤が歪みやすいということです。
これは寝具の種類によって改善はできる問題なのですが、一般的には腰が沈んでいる部分がちょうど曲がりやすく、背骨や骨盤が歪みやすくなってしまうのです。
また、下側にある片方の足がしびれを起こしやすいということも挙げられます。
私もたびたび足が痺れることがあるのですが、それだけ睡眠中に動いていないということでしょうか。
あとはうつ伏せと同様、シーツの跡や寝具の衛生状態で肌荒れが起きやすいというデメリットが挙げられます。
睡眠の時の仰向けについて

睡眠の時は、仰向けが一番体にかかる重心が均等になるからバランスがいいんじゃないの?と思われがちですよね。
しかし実は、仰向けで寝ていても体の部分的な重さはそれぞれ違うわけで…どうしてもお尻と頭が重たくなって沈んでしまうのですね。
そのため体の重心が均等になって悲嘆がかからないというのは、間違いなのです。
でも仰向けだとスッキリ眠れるという人もいますので、メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
仰向けで寝ることで得られるメリット
仰向けで寝ることで、腰痛持ちの人は腰に負担をかけずに睡眠をとることができます。
背中を除く全身の血行が良くなりやすく、気持ちよく眠ることができると感じる人が多いようです。
この時の仰向けの姿勢は、思いっきり体の力を抜くことができる大の字で寝るのがオススメです。
仰向けで寝ることによるデメリット
私も経験があるのですが、仰向けで寝ると金縛りに会いやすいと感じる人は多いようです。
この大きな原因は睡眠時無呼吸症候群によって息が苦しくなっている状態を表し、仰向けで寝ることで気道を舌でふさいでしまうのです。
そのためいびきをかく人はいびきがうるさくなり、睡眠時無呼吸症候群が悪化すると考えられています。
また仰向けは自然に口がパカーンとあいてきてしまい、口呼吸によって喉の粘膜が風邪などに感染しやすい環境を生み出します。
そういった点からいうと、仰向けは一番いい寝方とは言いにくいかもしれないですね。
睡眠の時の姿勢はなぜ人によって違うの?

睡眠の時の姿勢って、個々で異なるから面白いですよね。
仰向けのまま微動だにせず寝ている人もいれば、横向き寝で寝返りを何度も繰り返す人…本当に様々だと思います。
でも、なぜこのように睡眠の時の姿勢は人によって異なるのでしょうか。
これには、主に2つの理由がありますのでご説明します。
小さい頃からのくせ
小さい頃から両親が仰向けで寝ていたので、なんとなくそれに合わせるようになってしまった、またお母さんが左側にいたので左向きの横向き寝をするのが癖になってしまった…。
などなど、子供の頃からの寝姿勢が大人になってからの睡眠時の寝姿勢に影響を与えていることは多いです。
人は21日間同じことを続けると習慣になるということが脳科学的にもわかっています。
小さい頃からの癖はなかなか大人になっても抜けないですからね、この場合は無理に強制しなくても一番いい寝方だと思う姿勢を維持すれば良いと思います。
寝具や環境によるもの
寝具や環境が、睡眠の時の寝姿勢に影響していることも大いに考えられます。
寝具が柔らかい低反発タイプだと、仰向けでも腰に負担がかかりにくいので仰向けになりやすい傾向があります。
一方、高反発タイプの寝具は窒息の危険が少ないことからうつぶせ寝をする人が多い傾向にあります。
また横向き寝も、高反発タイプの寝具に多く見られます。
一方、子供が横に寝ている、あるいは壁側に寝ているなど環境の問題で寝愛生が決まるケースもあります。
睡眠は横向き寝が一番いい寝方!

うつ伏せ、横向き寝、仰向けの3タイプの寝姿勢について説明してきましたが、メリットが多くデメリットが少ないという結果が出たのは横向き寝でした。
横向き寝は体に負担がかかりにくいだけでなく、健康を支えるためにも重要な働きを持っているのです。
妊娠中、赤ちゃんや小さい子どもの睡眠は横向き寝!
妊娠中はお腹が大きくなるため、うつ伏せには当然なれませんし仰向けでは呼吸が苦しくて気分が悪くなってしまうことがあります。
そんな妊婦さんに推奨されているのは先ほども名前が出てきた、体をS字にして寝る『シムスの姿勢』です。
妊婦さん自身の呼吸が深くなるので、赤ちゃんにも充分酸素が供給されます。赤ちゃんや小さい子どもに関して心配なことと言ったら、睡眠中の窒息ですよね。
赤ちゃんのうつぶせ寝は乳幼児突然死症候群の原因になるとも言われており、避けるようにお母さんに指導が入っています。
また赤ちゃんや小さい子どもは嘔吐しやすいので、履いたものが喉に詰まって窒息を起こさないためにも横向き寝が一番いい寝方だとされています。
睡眠時無呼吸症候群の人も横向き寝!
睡眠の時に気道が狭くなってしまうことで起こりやすくなる睡眠時無呼吸症候群にも、横向き寝は一番いい寝方です。
仰向けは舌が下がりやすく喉を塞いでしまいますし、うつ伏せは顎に負担がかかる寝方で、仰向けの約2倍もの圧力がかかってしまうのです。
このことから睡眠時無呼吸症候群の人には気道を確保しやすい横向き寝が推奨されています。
実際に横向き寝をすることでいびきの頻度も下がったというケースが多いので、気になる人は横向き寝を試してみてください。
アルツハイマー型認知症の予防にも横向き寝!
なんと横向き寝はアルツハイマー型認知症のリスクを下げるという研究結果が、アメリカのニューヨーク州立大学で明らかになりました。
アルツハイマー型認知症を引き起こすリスク因子とされる脳内で作られるタンパク質の一種を、横向き寝をすることで排出しやすくする効果が期待できるのだそうです。
また動物界においても横向き寝が常識であり、これは脳内の活性化に一役買っているという一面もあるのです。
まとめ

睡眠時の姿勢はうつ伏せ、横向き寝、仰向けのどれが一番いい寝方なのかを説明してきましたが、横向き寝に軍配が上がりましたね。
睡眠時の横向き寝はデメリットに比べてメリットが非常に多く、また健康面においても認知症のリスクを下げたり赤ちゃんの突然死を防いだりと大きな役割を果たしています。
ただ、やはり睡眠の寝姿勢は個人で千差万別、ベストポジションがあると思うので一番いい寝方はやはり、
うつ伏せでも横向き寝でも仰向けでもぐっすり眠ることができると自覚できる姿勢ではないでしょうか。